飛行機の着陸時に激しい耳の痛み「航空性中耳炎」風邪や鼻炎の人は要注意 | 時遊zine

飛行機の着陸時に激しい耳の痛み「航空性中耳炎」風邪や鼻炎の人は要注意

先日、飛行機に乗った時に、突然 耳に激痛が走った。両耳の奥を剣山（けんざん）で突き刺すようなひどい痛みが続いて、何か悪い病気にでもなったかと心配になるほどの激痛です。

こんなふうに飛行機の中で耳が痛くなったり、耳が詰まって聞こえにくくなる症状を「航空性中耳炎」というのだそう。

航空性中耳炎には軽症のものから、重症化してしまうものもあり、

軽症のものは着陸すれば治るものの、重症化した場合は数時間から数日間症状が続き、痛みもさらに激しくなる。また、手術的治療が必要になる場合もあるとか。

今後も飛行機に乗るたびに同様の痛みを伴う可能性があるため、なんとか対策はないものか。原因と対処法を調べてみました。

航空性中耳炎の症状と原因

航空性中耳炎（こうくうせいちゅうじえん）は、主に飛行機の降下時になりやすく、飛行機が着陸態勢に入るため降下を始めた時に、機内の気圧が急に変化したことが原因で発生する痛み。

関西空港検疫所のホームページによると、原因は以下のようなもの。

中耳（鼓膜の内側）は、耳管で咽頭部とつながっています。この耳管は通常閉じていますが、開閉し空気が通ることにより外部の気圧と中耳の気圧を一定に保っています。航空機では、離着陸時の急激な気圧の変化が起こって耳管が閉じたままになり、鼓膜の内側と外側で圧力の差が生じて耳が痛くなることがあります。

軽症の場合、耳が詰まるような感じや軽い痛みが出ますが、数分から数時間で治ります。しかし、風邪をひいていたり、アレルギー性鼻炎があると重症になり、針で刺されるような激しい痛みや”ゴー”という低い耳鳴りが現れます。この場合には、適切な治療や処置を行わなければ、数時間から数日間症状が続きます。さらに重症になると鼓膜の内側に血液が混じった液体が溜まり、痛みも激しいものになります。

風邪をひいている人やアレルギー性鼻炎の人の場合、鼻の粘膜が腫れているため耳管が詰まり、中耳が炎症を起して重症化することもあるようです。

普段は飛行機に乗っても耳が痛くなることのなかった筆者ですが、たしかにこの時は風邪をひいていました。

飛行機の上昇時や降下時に突然、赤ちゃんが泣きだすことがありますが、この場合も多くは航空性中耳炎で耳が痛むことが原因だと言われています。

飛行機で耳が痛くなる「航空性中耳炎」の症状

航空性中耳炎の症状には、以下のようなものがあります。

• 耳が詰まる感じ（人の声が聞こえにくくなる）
• 自分の声が大きく聞こえる
• 耳の軽い痛み
• 針で刺されるような激しい耳の痛み
• 耳鳴りがする

予防方法を知っておけば航空性中耳炎になりにくく、また、なってしまった場合も対処法を知っていれば症状を抑えられることも。

飛行機で耳が痛くなった時（航空性中耳炎）の対処法

軽症の場合は、以下の方法で治る場合があります。

• あくびをする
• お水を飲む
• アメをなめる
• 耳抜きをする（※強くやりすぎない）

あくびや飴などを試してもダメな場合は「耳抜き」を試すと良い。耳抜きのやり方は以下の通り。

耳抜き（バルサルバ法）のやり方

1. はじめに鼻をかんでおきます
2. 息を軽く吸って鼻をつまみ、口を閉じて吸い込んだ息を耳の方へ送り込みます
3. 耳が抜ける感じがするまで数回、軽く繰り返す
4. 最後にツバを飲み込む

なお、耳抜きは強くやりすぎると鼓膜に傷をつけて出血するなど、逆効果になってしまう場合があるため、注意が必要です。

また、JAL（日本航空）のホームページでは航空性中耳炎の対処の1つとして「鎮痛剤をご希望される場合は乗務員にお申し出ください」とアナウンスしています。

飛行機に乗る前にできる、航空性中耳炎の予防策

機内で航空性中耳炎になるのを避けるために、JALがすすめている予防方法には以下のようなものがあります。

• 飛行機に乗る前に風邪やアレルギー性鼻炎の治療を受けておく
• 風邪やアレルギー性鼻炎の症状がある場合は市販の点鼻薬を搭乗前・下降前に使用

下降前にアメを舐めていたり、ガムを噛んでおく、というのも航空性中耳炎になりにくいと言われているのだとか。カバンには、飴とガムを常備しておきたいですね！

耳が痛くならない耳栓「イヤープレーン」

また、気圧変動に対応した耳が痛くならない「耳栓」も市販されていますよ。

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via.関西空港検疫所 / 日本航空