新茶の収穫最盛期迎え、ピカピカ新芽が美しい福岡県八女市の茶摘み風景
太陽の光を反射するほど山々の新緑がピカピカと美しく輝く季節。お茶の産地・福岡県八女市(八女茶)は毎年4月頃から5月に新茶の収穫が最盛期を迎えます。
大小様々な茶畑が町の至る所で見られる福岡県八女市。その中でも “奥八女” と呼ばれる山間地域(八女市上陽町)に茶畑を持つ、とあるお茶農家さんの茶摘みの時期にお邪魔しました。
「茶畑」というと緑色の茶葉が一面に広がるイメージですが、新茶の収穫を控えた茶畑は黒いシートで覆われており、まるで小さなビニールハウスが連なっているよう。(製法による)
5月頃に収穫期を迎える新茶(一番茶)は、前年から蓄えられた栄養分が豊富に含まれ、香り高く一番おいしいお茶と言われています。
「おいしいお茶の淹れ方」でも触れたように、お茶には旨み成分の「テアニン」という成分が含まれますが、日光に当たると「カテキン」に変わる。
カテキンは美容や健康に良いものですが、渋み成分でもあるため、農家の方は新芽が出てから日光に当てないようにこういった黒いシートを収穫の直前まで被せておくのだそうです。
機械や手摘みで!新芽を収穫していく様子
「茶摘み」というと、茶摘み着物を着た女性が手で摘んでいくスタイルを思い浮かべていた筆者ですが、お茶農家さんに話を聞いてみると、最近ではほとんどの農家が機械を導入しているため、手摘みしている所はほとんど見かけなくなったとか。
茶摘機は、腰の高さまであるお茶の木を跨ぎながら新芽だけを刈り取っていきます。以下の動画は、茶摘みの様子。
太陽の光を遮るシートを収穫前に取るとお目見えする、柔らかいお茶の新芽。
この上の部分だけを収穫します。
機械で摘んでいくため、これに合わせたお茶の木の管理や、育ち方を左右する土づくりが最も重要なのだそうです。
収穫後の茶畑はきれいに刈り揃えらていて、これもまた素敵な眺め
機械で取り切れない部分は、手摘みしていく。ポキポキっと簡単に摘めますが、広い茶畑では途方に暮れそうなほどの量に。
そのシーズンに最初に摘んだ後、次に出てくる葉を摘み取ったものが「二番茶」、その次を「三番茶」と呼び、四番茶までとれますが、やはり一番茶(新茶)が一番おいしく、人気も高い。
摘みとった直後の茶葉にも直射日光は大敵のため、品質を落とさないよう袋に入れ、木陰に置きます。
これをトラックに集めてお茶工場へと運び、製品(八女茶)へ。
お茶摘みなど作業の合間の休憩がひとときの楽しみ
「玉露」とは?
緑茶の中で最高級品と言われ、よく耳にする「玉露」。
玉露とは、上記の過程から更に日光を遮った状態で育てたものをいいます。お茶の木に黒いシートをかけ、その上に小屋のようなものを作って藁などで覆い、手間暇かけて育てるのだそう。
さらに「お茶摘み」の時には機械を使わず、手摘みで収穫しており、育てる過程から収穫に至るまで、手間と時間と人手が掛かっています。
「お茶摘み休み」がある学校も!
機械が導入されてもなお、手摘みのみで収穫する農家もあるため、多くの人手が必要な茶摘みの時期。この時期になるとたくさんの人を雇い何日もかけて摘んでいきます。
今でもゴールデンウィークには家族総出でお茶摘みをする農家さんも多いのだとか。
お茶農家の多い地域では、学校でも収穫最盛期の頃に「お茶摘み休み」があり、子供たちも家や地域のお手伝いをすることも。
そのため、学校の先生が「ちゃんとお手伝いをしているかどうか?」をチェックしに、茶畑を回る…なんてこともあったそうですよ。この地域ならではのお話ですね!
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