公開:2022年02月03日 伊藤 みさ/更新:2022.02.05

誕生石が63年ぶり改訂、10石が追加され日本オリジナル版が完成

各月に設定されている『誕生石』について、全国宝石卸商協同組合(ZHO)は2021年12月に改訂。63年ぶりに誕生石を改訂したと発表しました。

誕生石が63年ぶり改訂、10石が追加され日本オリジナル版が完成
画像はイメージ

誕生石は、アメリカの宝石商組合(現在のジュエラーズ・オブ・アメリカ)が定めたものが基になっており、各国独自の文化に由来し国によって少しずつ違うのだとか。

日本では1958年(昭和33年)にはじめて誕生石を制定。アメリカのものに日本独自で、サンゴとヒスイを加えたものとなっています。

日本国内には様々な誕生石リストが混在しているそうで、消費者が混乱することからこの度、業界として誕生石を統一するため宝石卸商協同組合は日本ジュエリー協会(JJA)・山梨県水晶宝飾協同組合(YJA)と連携して新たなリストを公開しました。

追加された10の誕生石のうち、日本独自に加えられた誕生石は6石

ジュエラーズ・オブ・アメリカは、以下の4石を追加。

6月:アレキサンドライト
8月:スピネル
12月:タンザナイト、ジルコン

これに加えて、日本オリジナルの誕生石には以下6石を追加。今まで単色の宝石しか選べなかった月も、これによりカラーバリエーションが広がりました。

2月:クリソベリル・キャッツアイ
3月:アイオライト、ブラッドストーン
4月:モルガナイト
7月:スフェーン
9月:クンツァイト

以下は月別の誕生石一覧。(改訂版)

1月の誕生石(追加変更なし)

  • ガーネット

1月の誕生石 ガーネット

古代から知られる赤色だけでなく、近年は多くのカラーバリエーションが知られています。ガーネットの和名は柘榴石(ざくろいし)。紫、オレンジ、緑、無色など様々。

2月の誕生石

  • アメシスト(アメジスト)
  • クリソベリル・キャッツアイ(追加)

2月の誕生石 アメシスト / クリソベリル・キャッツアイ
画像上からアメシスト、クリソベリル・キャッツアイ(横の並びは同じ種類)

アメシスト(アメジスト)は和名「紫水晶」と呼ばれる。身に着けるとお酒に酔わないと伝えられています。

この度2月の誕生石に追加された「クリソベリル・キャッツアイ」は、和名で「猫目石」と呼ばれる。キャッツアイ効果を持つ宝石は様々あるが、クリソベリルは最も美しい目が出ることで知られる。

日本では2月22日が猫の日、ヨーロッパの多くの国では2月17日が「World Cat Day」であることなどから制定された。

3月の誕生石
  • アクアマリン
  • ブラッドストーン(追加)
  • サンゴ
  • アイオライト(追加)

3月の誕生石 アクアマリン / サンゴ / ブラッドストーン / アイオライト
画像上からアクアマリン / ブラッドストーン / サンゴ / アイオライト(横の並びは同じ種類)

アクアマリンは和名「 藍玉(あいぎょく)」。古くから人魚の宝石と呼ばれ、船乗りたちのお守りとされてきた石です。

「サンゴ」はサンゴ礁とは別の種類で、色は白・桃・赤などがあるが、濃い赤色(血石サンゴ)が最良のものとされています。主な産地は高知県沖、小笠原諸島沖、沖縄県沖、地中海沖など。

この度追加された「ブラッドストーン」は濃緑⾊の地に⾚⾊の斑点がある水晶。和名は血石(けっせき)で、太陽を呼び戻す石とも呼ばれている。「アイオライト」は、和名で菫青石(きんせいせき)と呼ばれ、見る方向によって青紫⾊、灰黄⾊、淡青色がある。

4月の誕生石
  • ダイヤモンド
  • モルガナイト(追加)

4月の誕生石 ダイヤモンド / モルガナイト
画像上から ダイヤモンド / モルガナイト(横の並びは同じ種類)

ダイヤモンドは言わずと知れた宝石の王様。最も固い石としても知られます。和名は金剛石(こんごうせき)と呼ばれる。無色透明なイメージがあるが、ファンシーカラーと言われる様々な色のダイヤモンドもある。

この度追加された「モルガナイト」は和名モルガン石。ピンク⾊から淡紫⾊の⾊合いを持つ宝⽯で、日本では桜をイメージする色合いを持つ石として追加されました。

5月の誕生石(追加変更なし)
  • エメラルド
  • ヒスイ

5月の誕生石 エメラルド /  ヒスイ
画像上から エメラルド / ヒスイ(横の並びは同じ種類)

エメラルドの和名は、緑柱石(りょくちゅうせき)。様々な効能があると信じられており、クレオパトラが最も愛した宝石としても知られる。

「ヒスイ」はよく知られている色は緑色だが、藤⾊、橙⾊、⿊⾊など様々な⾊がある。日本では縄文時代の遺跡から翡翠(ひすい)の装飾品などが発掘されており、2016年には日本の国石が翡翠に制定された。

6月の誕生石
  • 真珠
  • ムーンストーン
  • アレキサンドライト(追加)

6月の誕生石 真珠 /  ムーンストーン / アレキサンドライト
画像上から 真珠 / ムーンストーン / アレキサンドライト(横の並びは同じ種類)

真珠(パール)は特融の光沢をもつ神秘的な石。昔は天然のものしかなくかなり高価だったが、近代では養殖されるようになり、身に着けられるジュエリーとなった。

「ムーンストーン」の和名は月長石(げっちょうせき)。カット加工により無⾊透明~乳⽩⾊の地に美しい⽩⾊や青色閃光がみられることも。地色がオレンジ色のものもある。

この度追加された「アレキサンドライト」は光によって色が変わる石。和名は金緑石(きんりょくせき)で、太陽光の下では青緑色、白熱灯の下では赤紫色になり、色の変化がはっきりするものほど貴重とされています。

7月の誕生石
  • ルビー
  • スフェーン(追加)

7月の誕生石 ルビー / スフェーン
画像上から ルビー / スフェーン(横の並びは同じ種類)

「ルビー」は和名で紅玉(こうぎょく)と呼ばれる。

この度追加となった「スフェーン」は、結晶の形が楔(くさび)状になるため和名は楔石(くさびいし)と呼ばれます。ふたつのものを固くつなぎ合わせる絆の意味も持つ。

スフェーンの強い輝きは日本の夏の森のような色合いということから、7月の誕生石となった。

8月の誕生石
  • ペリドット
  • スピネル(追加)
  • サードニクス(サードオニキス)

8月の誕生石 ペリドット / スピネル /  サードニクス(サードオニキス)
画像上から ペリドット / スピネル / サードニクス(サードオニキス) (横の並びは同じ種類)

「ペリドット」の和名は、カンラン石と呼ばれる。エジプトでは太陽の宝石と呼ばれ、ファラオたちの王冠や装飾品に使用されていた。

この度追加された「スピネル」の和名は尖晶石(せんしょうせき)で、ルビーやサファイヤと見た目が似ている。赤やピンク、紫、青などがあり、近年人気となっている。

「サードニクス」は鮮やかな橙赤色(とうせきしょく)の地に白色の縞状模様があるもの。和名は紅縞瑪瑙(べにしまめのう)と呼ばれる。

9月の誕生石
  • サファイア
  • クンツァイト(追加)

9月の誕生石 サファイア / クンツァイト
画像上から サファイア / クンツァイト(横の並びは同じ種類)

「サファイア」はブルーのイメージがあり、和名にも蒼玉(青玉:せいぎょく)と名付けられていますが、実は青のほかにもオレンジ、ピンクなどのカラーもあり様々なジュエリーに加工され人気のある宝石。

この度追加となった「クンツァイト」は淡紫色から紫⾊の石で、和名はリチア輝石(りちあきせき)。濃い色のものでは方向により紫・ピンク・無色の多色性を見ることができる。クリアで鮮やかなピンク色のものは特に人気。

10月の誕生石(追加変更なし)
  • オパール
  • トルマリン

10月の誕生石 オパール /  トルマリン
画像上から オパール / トルマリン(横の並びは同じ種類)

「オパール」はキラキラと浮遊するような虹色の輝きが特徴的な宝石で、和名は蛋白石(たんぱくせき)。ホワイトオパール、ブラックオパール、ボルダーオパールなど様々な種類があり、同じきらめきのものはないと言われるほど多彩な色を持つ。

「トルマリン」は色のバリエーションが最も豊富な宝石。和名は電気石(でんきいし)。擦ると帯電する性質を持つ。

11月の誕生石(追加変更なし)
  • トパーズ
  • シトリン

11月の誕生石 トパーズ / シトリン
画像上から トパーズ / シトリン (横の並びは同じ種類)

「トパーズ」は一般的に黄色が良く知られていて、和名では黄玉(おうぎょく)と呼ばれる。しかし黄色以外にもブルー・ピンク・ゴールデンなど様々ある。鮮やかなブルーのトパーズは通常、着色処理がされているという。

「シトリン」は黄色の石で和名は黄水晶(きずいしょう)と呼ばれる。ほとんどのシトリンは、通常アメシストを加熱処理することにより得られているという。

12月の誕生石
  • トルコ石
  • ラピスラズリ
  • タンザナイト(追加)
  • ジルコン(追加)

12月の誕生石 トルコ石 / ラピスラズリ / タンザナイト  / ジルコン
画像上から トルコ石 / ラピスラズリ / タンザナイト / ジルコン(横の並びは同じ種類)

「トルコ石」はターコイズとも呼ばれる。鮮やかな青色が神秘的で、5000年前から装飾品として使用されてきたという。

「ラピスラズリ」は美しい濃青色が特徴的で、和名では瑠璃(るり)と呼ばれる。ツタンカーメンの黄金マスクにもこれが使用されている。

この度追加された「タンザナイト」はタンザニアで発見された石。和名は灰簾石(かいれんせき)で、見る方向によって青紫・青・ピンクを見ることができる。

さらに「ジルコン」は輝きが強いため古くからダイヤモンドの代用品として利用されてきた。和名は風信子石(ひやしんすせき)で、人造石であるキュービックジルコニアとっはまったくの別物である。

石の紹介・画像:全国宝石卸商協同組合 発表の資料による

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