公開:2024年06月17日 Mika Itoh/更新:2024.06.17
混同しがちなお花・蓮(ハス)と睡蓮(スイレン)の違いと特徴、見分け方
咲く花を見て「春だなぁ」「夏がきたな~!」と季節を感じますが、よく似ている花を見かけると「あれ?これってどっちだ?」と混乱してしまう事がありませんか?
蓮(ハス)と睡蓮(スイレン)も、よく混同されてしまいがちなお花の1つ。
どちらも美しくて、よく目にするものは儚げなピンク色をしていて、花も大きく華やかです。
ハスとスイレンは形もよく似ていて、開花時期も近く、花の名前にも一部同じ「蓮」の字が使われているため混乱しやすいですが、
お花自体はよく見ると、いろいろと違いがハッキリしていましたよ!
睡蓮(スイレン)とは
睡蓮(スイレン)は、水面に浮かぶように咲く花。睡蓮の葉は丸く、一部に切込みが入っているのが特徴。
スイレンには「温帯性スイレン」と「熱帯性スイレン」があり、
温帯性スイレンは5月頃に咲く、花びらも丸みのあるふわっとした印象の花で、色は淡いピンクや白・黄色・赤などがあり、比較的優しい色合いのものが多い。
また「温帯性スイレン」は、朝に咲いて午前中だけ花が開き、午後になると閉じる…を繰り返して咲くのは3~4日ほど。以降は、花びらが散らずに水の中に沈んでいきます。
これに対して、熱帯性スイレンは7月頃から咲き、花びらは細くシャープな印象。色は赤・紫・青紫・ピンクなど濃くハッキリしたものが多く、白や黄色などもあり種類が多い。
また、熱帯性スイレンは午前中だけでなく夜に咲く花もあるとのこと。
古代エジプト人にとって睡蓮は、朝に開花して夜には閉じるという花の特徴や、放射状の形が太陽を象徴するとして、聖なる花として崇められていたそうで、
神様へのお供え物や髪飾りとして使われていたことが、壁画などに残されています。
蓮(ハス)とは
蓮(ハス)も睡蓮と同じく水場に咲く花ですが、開花時期は6月~8月ごろと睡蓮よりは遅め。
さらに蓮(ハス)は水面からグングンと太陽に向かって伸び、水辺に立つように(水面から1mくらい高い場所で)咲きます。
蓮(ハス)は、レンコンの花としても知られています。レンコンは土の中で育ち、葉は出始めの頃は水面に浮かんで見えますが、次第にグングンとのびて「立ち葉」となり、
その後 花芽が出てきて、そこから20日後くらいに花が開きます。
花も葉も、水面に浮かんでいるのが「スイレン」で、どちらも立ち上がっているのが「ハス」ということになります。
また、花の真ん中にある花托(かたく)を見てみると、蓮(ハス)はレンコンの断面や、ハチの巣のような形をしています。
この花托がハチの巣に似ていることが、花の名の由来になっているという説もあるようです(ハチス→ハス)。
蓮(ハス)と睡蓮(スイレン)、どちらも神聖な花として大切にされてきた
花屋さんによると、蓮(ハス)や睡蓮(スイレン)の総称を蓮華(れんげ)と呼び、どちらも泥沼から生まれて美しい花を咲かせるため、
仏の悟りを表すお花として親しまれています。
仏像や、お仏壇の仏様が座っている台座をよく見てみると、蓮の花の形になっていますね!
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