公開:2020年09月07日 Mika Itoh/更新:2023.07.23

知ってた?実は縁起のいい花「菊」と 9月9日「重陽の節句」

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毎年9月9日は「重陽の節句」。この日は「菊の節句」とも呼ばれています。
この「重陽(ちょうよう)の節句」をご存じでしたか?

知ってた?実は縁起のいい花「菊」と 9月9日「重陽の節句」

先日 街を歩いていたとき、菊だけを使った生け花の展示「菊あわせ」を見つけたのですが、恥ずかしながら筆者はこの展示で初めて「重陽の節句」の存在を知りました。

重陽の節句は、五節句の1つ。節句は季節の節目となる日で、古代中国の陰陽五行説が由来で、日本の暦に定着しています。五節句の内容は以下の通り。

重陽の節句は、五節句の1つ

人日の節句
1月7日は「人日(じんじつ)の節句」。七草がゆを食べて一年間の無病息災を祈る日であるため「七草の節句」とも呼ばれる。
上巳の節句
3月3日は「上巳(じょうし/じょうみ)の節句」。自分の身に起こる災厄を「ひとがた」に移し、それを水に流して祓う風習がある。また、女の子が優しく健やかに育つように願いを込められた「ひな祭り(雛飾り)」、良い結婚に恵まれ幸せを願う「流し雛」の風習も一部地域に残っています。ちょうど桃の季節であるため「桃の節句」とも呼ばれています。行事食は「菱餅」や「ひなあられ」「ちらし寿司」など。
端午の節句
5月5日は「端午(たんご)の節句」。または「菖蒲の節句」や「笹の節供」とも呼ばれる。日本では、男の子の健やかな成長を祈る日として鯉のぼりを飾り「柏餅」や「ちまき」(地域によって異なる)を食べる風習がある。
七夕の節句
7月7日は「七夕(たなばた)の節句」または「星まつり」とも呼ばれる。短冊に願い事をかいて笹の葉につるし、星にお祈りをする習慣が今も残っていますが、古い日本の神事で秋の豊作を祈ったり人のけがれを祓う「棚機(たなばた)」の行事と合わさったものと言われています。七夕の行事食は「そうめん」。
重陽の節句
9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」。旧暦では菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれる。中国の陰陽道では、奇数は縁起の良い「陽」の数字とされていた為、奇数の中で最も大きな「9」が重なる9月9日は大変めでたい日とされている。菊の花を浸した「菊酒」を飲んだり「栗ごはん」を食べる習わしもあり。

9月9日「重陽の節句」は、縁起のいい最大数「9」が重なるおめでたい日

古代中国では、奇数が “縁起のいい「陽数」”で、偶数は “縁起の悪い「陰数」”と考えられているため、陽の最大数が2つ重なる「9月9日」は最も縁起がよく、おめでたい日と言われています。

そういえば、五節句は 1月・3月・5月・7月・9月にありますが、これらもすべて奇数ですね!

中国の陰陽道、奇数が縁起のいい数字
陰陽マーク(太極図)

重陽の節句は、五節句のなかで最後にある節句のため、昔は五節句を締めくくる行事として最も盛んだったと言われています。

また、庶民の間では「おくんち(お九日)」と呼ばれ、秋の収穫祭とあわせて祝うようになり、有名な「長崎くんち」などはその名残で開催されています。

そんな『最も縁起のいい日』9月9日・重陽の節句には、菊の花がつきものです。

菊は縁起が悪い?いえいえ、とっても縁起のいいお花!

菊といえば、お葬式などで使われるお花のため、縁起の悪いイメージを持たれがちですが、実は真逆。

実際に、日本では皇室の家紋のモチーフには菊が使われていますし、日本人のパスポートの表紙には「菊の御紋」が入っており、日本を象徴する花としても親しまれています。

菊は縁起が悪い?いえいえ、とっても縁起のいいお花!

9月9日「重陽の節句」には、いろんな種類の菊でアレンジされた花束を飾ったり、菊の和菓子(練り切り)を食べて「邪気払い」や「不老長寿」を願ってみては。

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